【書籍&コミカライズ】魅了持ちの姉に奪われる人生はもう終わりにします〜毒家族に虐げられた心読み令嬢が幸せになるまで~

「ねえ……僕たちは未来でまた会えるんだよね?」


 ヴァーリックが尋ねる。オティリエは顔を上げると、ヴァーリックをまっすぐ見つめた。


「ええ、もちろん。私が会いに行きます」

「絶対? 絶対に会いに来てくれる?」

「ええ、絶対です」


 差し出された小指に自分の小指を絡め、オティリエはそっと微笑む。


「――だったら僕、頑張るよ。いつか君に誇ってもらえるような男になれるよう、きちんと自分の能力と向き合ってみる」

「ヴァーリック様……」


 ヴァーリックの笑顔は泣きたくなるほど愛おしい。瞬きを一つ、目を開けた瞬間、オティリエの目の前に大人になったヴァーリックが立っていた。