【書籍&コミカライズ】魅了持ちの姉に奪われる人生はもう終わりにします〜毒家族に虐げられた心読み令嬢が幸せになるまで~

「……それで、どうすればいいの?」


 しばらくして、ヴァーリックがそうつぶやいた。オティリエは瞳を輝かせると、ヴァーリックの手をそっと握る。彼は少しだけ目を見開くと、恥ずかしそうに急いで下を向いた。


「自分の身体のなかに流れている気を意識してください。それを手のひらに集めて」


 以前ヴァーリックに教えてもらったとおりに、オティリエが言う。幼いヴァーリックは「こうかな?」と言いながら、手に力を込めた。

 すると、オティリエの全身がほんのりと熱くなる。次いで過去に送り込まれたときと同様、ふわりと体が浮く感覚がする。

 
「やったわ!」とオティリエが声を上げる。ヴァーリックは「本当に成功したの?」と目を瞬かせた。



「ヴァーリック様、ありがとうございます! 本当に、なんとお礼を言っていいか!」


 これで現代に――ヴァーリックのもとに帰ることができる。オティリエは幼いヴァーリックを抱きしめると、ポロポロと涙を流した。