「申し訳ないけど、僕にはそんな力はないと思うよ」
いつも前向きなヴァーリックの後ろ向きな言葉に、オティリエは思わず胸が苦しくなる。
「いいえ、できます。ヴァーリック様なら、絶対! だって、あなたの能力は、誰よりも素晴らしいって私は知っていますもの」
オティリエがヴァーリックの手を握る。ヴァーリックはゆっくりとオティリエを見上げた。
「素晴らしい? 僕の能力が?」
「ええ、そうです! だって私は、ヴァーリック様の能力に何度も救われたんですよ」
イアマの心の声が聞こえないようにしてくれたこと、魅了の能力を打ち消してくれたこと――数えだしたらきりがない。
これから先の未来に何が起こるのか、すべてを伝えるのはご法度だろう。けれど、ヴァーリックの能力がなければ――彼がいなければ、オティリエは間違いなく生きていなかった。
「私だけじゃありません。これから先、ヴァーリック様や、ヴァーリック様が集めた素敵な人々に救われる人が大勢います。能力は鍛え方次第。あなたの能力は本当に、無限の可能性を秘めているんです」
かつてヴァーリックはオティリエに同じ言葉を贈ってくれた。自分の能力が好きになれないオティリエに、希望を与えてくれたのだ。
だから、今度はオティリエの番。
どうか届いてほしいとオティリエは願う。
いつも前向きなヴァーリックの後ろ向きな言葉に、オティリエは思わず胸が苦しくなる。
「いいえ、できます。ヴァーリック様なら、絶対! だって、あなたの能力は、誰よりも素晴らしいって私は知っていますもの」
オティリエがヴァーリックの手を握る。ヴァーリックはゆっくりとオティリエを見上げた。
「素晴らしい? 僕の能力が?」
「ええ、そうです! だって私は、ヴァーリック様の能力に何度も救われたんですよ」
イアマの心の声が聞こえないようにしてくれたこと、魅了の能力を打ち消してくれたこと――数えだしたらきりがない。
これから先の未来に何が起こるのか、すべてを伝えるのはご法度だろう。けれど、ヴァーリックの能力がなければ――彼がいなければ、オティリエは間違いなく生きていなかった。
「私だけじゃありません。これから先、ヴァーリック様や、ヴァーリック様が集めた素敵な人々に救われる人が大勢います。能力は鍛え方次第。あなたの能力は本当に、無限の可能性を秘めているんです」
かつてヴァーリックはオティリエに同じ言葉を贈ってくれた。自分の能力が好きになれないオティリエに、希望を与えてくれたのだ。
だから、今度はオティリエの番。
どうか届いてほしいとオティリエは願う。



