【書籍&コミカライズ】魅了持ちの姉に奪われる人生はもう終わりにします〜毒家族に虐げられた心読み令嬢が幸せになるまで~

「僕の名前を呼んだ……ってことは、僕を知っているの?」


 警戒心をあらわに、ヴァーリックはオティリエを見つめながら返事をする。


(やっぱり、この男の子はヴァーリック様なんだわ)


 オティリエは「ええ」と返事をしつつ、ゴクリと息を呑んだ。

 もしもこの男の子が本当にヴァーリックなら、考えられる状況は二つ。『ヴァーリックが幼くなってしまった』か『オティリエが過去に行ってしまった』か、どちらかだろう。

 しかし、オティリエが女性から肩を叩かれたこと、その時の体の感覚を思い出すに、おそらく正解は後者だ。