「君を僕の補佐官として迎え入れたいんだ」

「え……?」


 それは他人の心が読めるはずのオティリエにとって、まったく思いがけないセリフだった。
 目の前の男性がこれからなにを言おうとしているのか、どうこたえるのが正解なのかまったくわからない。けれど彼はオティリエがどんな反応をしても許してくれそうな寛容な空気を醸し出している。オティリエはそっと身を乗り出した。


「補佐官、ですか? この私が?」

「そう。この家を出て、僕のために力を貸してほしい。どうだろう?」


 男性が優しく微笑む。オティリエの胸が高鳴った。