シングルマザーでしたが、オフィスビルで俺様社長と一緒に子供を育てています。

 こんなところに居たら、また周りに迷惑かけるし、泣き止まない奏太に困り果てていたらガチャッとドアが開いた。
 ドアが開いて出てきたのは八神社長だった。
 どうしよう。心の準備が出来てなかったので咲希は動揺する。

「赤ん坊の鳴き声をすると思ったら……君か?」

「あ、あの……すみません。すぐに泣き止ませますので」

 何度も頭を下げる。またもや最悪な出会い方になってしまった。
 動揺と恥ずかしさで、こちらまで泣きたくなってしまう。オロオロしていると
ひょいと泣いている奏太を抱き上げた八神社長。あっ!?

「少し落ち着け。赤ん坊なんだから泣くのは、当たり前だ!」

 不機嫌になるどころか代わりに、あやしてくれようとした。

「そ、そうなんですが……あの」

 すると何かに気づいた八神社長は、奏太のおしりの匂いを嗅ぐ。

(あ、まさか。よりにもよって……)

 どうやら、おしめだったようだ。申し訳ない気持ちになってくる。

「おしめは、持ってきたのか?」

「あ、はい。ここに」

 八神社長がそう言うので慌てて持ってきたカバンを見せる。念のために持ってきて良かったが。

「なら、ここでおしめを替えてやる。貸せ。あと中に入れ。どのみち俺に用なんだろ?」

 なんと、八神社長が、おしめを替えてくれると言ってきた。

(えっ? 社長が自ら!?)

 さすがにそれは……失礼過ぎるのでは??

「それは、さすがに……」

「丁度いい……君に用があったんだ。こちらも忙しい、早くしてくれ」