シングルマザーでしたが、オフィスビルで俺様社長と一緒に子供を育てています。

 すると。思いがけない言葉を告げられる。八神社長の口から。

「どうやら、別れる原因になった社長令嬢に不倫されたらしい。自由奔放な令嬢だったらしく、男をとっかえひっかえしていたとかで、それに激怒した翔也って男は、令嬢に暴力を振るったらしい。その結果、社長を怒らしてしまってクビに。まぁ、クビの原因はそれでけではないらしいが」

「えっ……?」

「その後、発覚したらしいぞ。会社のお金を着服していたと。社長の娘と結婚したから、会社のお金は自分のお金だと勘違いしたのだろう。本当に浅はかで……自業自得だな」

 呆れたように説明をしてくれた八神社長。咲希は余計に啞然としてしまった。
 まさか、そんな愚かな事をやらかしていたとは……。
 あの正気ではない表情は、それが原因だったのだろうと思うと、やるせない気持ちいなった。

「とにかく警察には被害届をを出しておいたし、俺から直接頼んでおいたから動いてくれるだろう。だが、何処に潜んでいるか分からない以上、むやみに出歩いたり、帰るのは危険だ。落ち着くまでウチに避難しろ」

「えっ? ですが……」

「奏太のためにもここに居ろ。これは君のためにも言っている」

「……はい」

 確かに、何かあってからでは遅い。奏太にも危害を加えないという保証もないし。
 申し訳ないと思ったが、お言葉に甘えることに。
 その日に、荷物は八神社長に運転と運ぶのを手伝ってもらい、しばらく居候させてもらう。何から何まで頼りっぱなしである。
 その夜。ゲストルームにあるベッドで奏太を寝かしつけると、リビングに向かう。
 中に入ると、八神社長はソファーの方でワインを飲んでいた。薄暗いリビングなのに、窓際から見える夜景はネオンで光っており綺麗だった。それに……。