シングルマザーでしたが、オフィスビルで俺様社長と一緒に子供を育てています。

「じゃあ、私もまだ管理の仕事があるので戻りますね。咲希ちゃんは、そのまま悠斗の世話をお願いします」

「あ、はい。ありがとうございました」

 咲希は慌ててお礼を言って頭を下げた。逆に自分の方がお世話になりっぱなしだが。

(あ、そうだ。いけない。八神社長がお風呂に入っている間に夕食の準備をしないと)

 せめて夕食作りを頑張らなくては。
 急いで冷蔵庫の中身とキッチンを借りて料理を作りを開始する。作りながら奏太を見ていると広いリビングが面白くて仕方がないのか大運動会をしていた。
 ハイハイをしながら全速疾走。キャッキャッと大はしゃぎ。

「奏太。お風呂に入ったばかりなんだから、あまりハイハイすると……」

 そう言いかけたら、

「ふええ~ん。まんま」

 すぐに泣きながら戻ってきた。あらあら……。
 どうやら遠くに行き過ぎて途中で怖くなってきたようだ。
 よしよしと抱き上げた。しばらくすると、いつものように私の傍で遊び出した。
 この広くても狭いところに行きたがる貧乏性のところは私似だろうか?
 思わずクスクスと笑ってしまう。
 すると、しばらくして八神社長がシャワーを浴びて戻ってきた。

「キャハッ~」

 あっという間に八神社長のところにハイハイしながら向かって行く奏太。
 どうも八神社長の事が好きで仕方がないらしい。

「奏太。何でお前、また汗かいているんだ?」

 八神社長は抱き上げてくれたが不思議がられる。

「それが……さっきまでリビングで全速ハイハイしていまして」

 せっかくお風呂に入れてもらったのに申し訳ない。