シングルマザーでしたが、オフィスビルで俺様社長と一緒に子供を育てています。

「おやおや、頭の中が混乱しているようですね?」

「まったく……ちゃんと説明してあげてくださいよ? 俺は、夕食が出来るまで奏太をお風呂に入れてから、シャワーを浴びてきますから」

「あぁ、はいはい」

 ニコニコしながら返事をする田中さん。
 えっ? お風呂って……奏太まで!? いつ間にか話が進んでいるではないか。

「あの……そんな奏太までお風呂に入れてもらうなんて申し訳ないです」

 私は慌てて止めた。

「次いでだ。それに帰る頃には遅くなって奏太も寝てしまっている。起こしてまで入らせるのは可哀想だ。確か、物置に大きめのたらいがあったはず。奏太の荷物を出して下さい」

「は、はい」

 慌てて奏太用のカバンを出すと八神社長に渡した。すると奏太を連れてさっさと奥のドアから出て行ってしまった。いいのだろうか?
 咲希は唖然としていると田中さんはクスクスと笑ってくる。

「悠斗は、昔から面倒みのいい子ですからね。フフっ……咲希ちゃん。すみません。事情を話さずに黙っていて」

 そう言って謝ってくれた。

「いえ……それは、全然構わないのですが。どうも頭の中が上手く整理が出来なくて……一体。どういうことなんでしょうか?」

 考えても上手く話がまとまらない。すると田中さんはクスッと笑った。

「実は悠斗と私の孫なんです。『田中』はあくまでも仮の名前でしてね。それには、訳がありまして。あの子の母親は、あの子が小学生の頃に病気で亡くなっています」

「悠斗さんのお母様が?」