シングルマザーでしたが、オフィスビルで俺様社長と一緒に子供を育てています。

 ど、どうしよう。自分達を庇ったのが原因だろう。助けたばかりに……。
 咲希は全身をガタガタと震わせながらオロオロしてしまう。奏太もまだ泣いている。

「とにかく落ち着け。2階に整形外科がある。そこに行けばいいから手を貸せ」

 八神社長は冷静にそう言ってきた。
 咲希は言われるがまま2階に向かった。他の社員の人達も支えるのを手伝ってくれた。2階はクリニックになっており内科、産婦人科、歯科、整形外科などがある。
 本当にこのビルは色々揃っている。そして診断結果は、

「捻挫ですね。全治2週間です」

 医師にそう判断された。やはり捻挫だった。
 自分達を庇ったからだ。責任を感じている咲希は、謝って済まされるものではないが何か出来る事はないかと考える。
 でも……何も出来ないし迷惑だと思われそうだ。
 奏太をあやしながら、しゅんと落ち込んでしまう。涙が溢れてくる。

「気にするな。これは、俺が勝手にやったことだ」

「でも……私のせいで」

「これぐらいすぐに治る。2週間程度だし。それよりも」

 八神社長は何かを言いかけた時だった。ガチャッと田中さんが慌てて入ってきた。

「悠斗、咲希ちゃん大丈夫ですか!?」

 田中さん!?

「大丈夫ですよ。ちょっと足を挫いてしまっただけですから2週間経てば、普通に生活が出来るようになります」

 八神社長は、そう冷静に答える。そういえば何故、田中さんには敬語なのだろうか?
 フッと疑問に思った。

「そうか。それなら良かった……」

 田中さんはホッと胸を撫で下ろす。親切にも心配をしてくれる。