○鈴香のアパート・リビング(夜)
鈴香、ソファに座ってスマホを見る。
小林からメッセージがくる。
〈樹:今日日高さんに鈴の番号伝えたから〉
その瞬間、未登録の番号から着信。
鈴香、スマホを落としそうになる。
スマホを持ったまま部屋の中を行ったり来たりして、真っ暗なテレビの前で
前髪を整える。
鈴香、おそるおそる通話ボタンを押す。
日高の声「あーもしもし? 俺だけど」
鈴香「(笑いながら)なんかひと昔前のオレオレ詐欺みたいですね」
日高の声「ひと昔前ってのは余計だよ。え? 誰か分かった?」
鈴香「分かりますよ! だって日高さんの声、安心するいい声ですもん」
電話の向こうから咳き込む音。
鈴香「日高さん⁉ 大丈夫ですか⁉」
日高の声「悪い、ちょっとむせた。それで、夢の宿題できたって?」
鈴香「はい!」
鈴香、咳払いをして話し始める。
鈴香「私、東京ドームとか大きい箱でバンドの生演奏を聴いてみたいんです。だから、日高さんたちビタレが東京ドーム公演して、音楽チャート1位になるのをこの目で見るのが、今の私の夢です! どうですか……?」
日高の声「なるほど。いいじゃん! じゃあそん時は特等席用意しなきゃだな」
鈴香「やったー! 約束ですよ?」
鈴香、電話越しにはしゃぐ。
日高の声「……次のライブ、来週だけど来れる?」
鈴香「受診の日なので、問題なければ行きたいです! あ、これも夢ですよね?」
日高の声「おー分かってきたじゃん。その調子」
一瞬の沈黙。
日高の声「悪い! ちょっとやること思い出したわ!」
鈴香「あっ、はい! お忙しいのにありがとうございました!」
日高の声「いや、今忙しくなったっつーか……まぁいいや。次のライブ待ってるから! おやすみ」
鈴香「おやすみなさい!」
鈴香、電話を切ってベッドに寝転ぶ。
テディベアの手を動かしながら話しかける。
鈴香「『ライブ待ってる』だって~! 楽しみだなぁ」
鈴香、ソファに座ってスマホを見る。
小林からメッセージがくる。
〈樹:今日日高さんに鈴の番号伝えたから〉
その瞬間、未登録の番号から着信。
鈴香、スマホを落としそうになる。
スマホを持ったまま部屋の中を行ったり来たりして、真っ暗なテレビの前で
前髪を整える。
鈴香、おそるおそる通話ボタンを押す。
日高の声「あーもしもし? 俺だけど」
鈴香「(笑いながら)なんかひと昔前のオレオレ詐欺みたいですね」
日高の声「ひと昔前ってのは余計だよ。え? 誰か分かった?」
鈴香「分かりますよ! だって日高さんの声、安心するいい声ですもん」
電話の向こうから咳き込む音。
鈴香「日高さん⁉ 大丈夫ですか⁉」
日高の声「悪い、ちょっとむせた。それで、夢の宿題できたって?」
鈴香「はい!」
鈴香、咳払いをして話し始める。
鈴香「私、東京ドームとか大きい箱でバンドの生演奏を聴いてみたいんです。だから、日高さんたちビタレが東京ドーム公演して、音楽チャート1位になるのをこの目で見るのが、今の私の夢です! どうですか……?」
日高の声「なるほど。いいじゃん! じゃあそん時は特等席用意しなきゃだな」
鈴香「やったー! 約束ですよ?」
鈴香、電話越しにはしゃぐ。
日高の声「……次のライブ、来週だけど来れる?」
鈴香「受診の日なので、問題なければ行きたいです! あ、これも夢ですよね?」
日高の声「おー分かってきたじゃん。その調子」
一瞬の沈黙。
日高の声「悪い! ちょっとやること思い出したわ!」
鈴香「あっ、はい! お忙しいのにありがとうございました!」
日高の声「いや、今忙しくなったっつーか……まぁいいや。次のライブ待ってるから! おやすみ」
鈴香「おやすみなさい!」
鈴香、電話を切ってベッドに寝転ぶ。
テディベアの手を動かしながら話しかける。
鈴香「『ライブ待ってる』だって~! 楽しみだなぁ」