○鈴香のアパート・リビング(朝)
こぢんまりとしたワンルーム。
6時30分、スマホからポップな曲が流れる。
ベッドで眠る佐野鈴香(21)、画面も見ずに慣れた手つきでアラームを止める。
反対側にぐるりと体を向け、再び眠る。

×  ×  ×

6時40分、バラード調のしっとりとした曲が流れる。
鈴香、少し目を開けてアラームを確認。

鈴香「あとちょっと……」
と、また眠る。

×  ×  ×

6時50分、ロックな曲が流れる。
鈴香、スマホの画面に目を細め、唸りながらのそのそとベッドから出る。
鈴香、カーテンを開けて太陽の光を浴びる。


○同・キッチン(朝)
鈴香、電気ケトルに水道の水を入れてセットする。


○同・洗面所(朝)
鈴香、ヘアバンドで前髪をかき上げる。水を出して鏡に映った自分の顔を見つめる。
温水になったのを確認して顔を洗い、化粧水と乳液を顔に塗る。
歯ブラシに歯磨き粉を付ける。


○同・リビング(朝)
鈴香、歯を磨きながらウォークインクローゼットを開ける。
洋服を端から端まで見る。

アナウンサーの声「日中は穏やかな春の陽気に包まれますが、朝晩は少し冷え込むので羽織るものがあると便利でしょう」

鈴香、服を選んで着替える。


○同・キッチン(朝)
鈴香、食パンをトースターに入れる。
マグカップにココアの粉を入れて湯を注ぐ。
チーンとトースターの音が鳴る。
鈴香、こんがり焼けたパンの端を熱そうにつまんでお皿に乗せる。


○同・リビング(朝)
鈴香、ローテーブルにパンとココアを運ぶ。

鈴香「いただきます」
と、手を合わせる。
テーブルの上にはいくつもの薬袋。
鈴香、テレビを見ながら食べる。