ところ変わって、家の中にて…
家のキッチンに弟夫婦がいた。
弟夫婦がおそろいのエプロンをつけて料理をしていた。
「ねーえ、じゃがいもの皮むけた?」
「うん、むけたよ。」
「それじゃあ、にんじんの皮もむいてもらおうかな?」
弟夫婦がラブラブになっているのを見た私は、怒って席を立ったあと外へ出ようとした。
この時、弟嫁《よめ》が私に声をかけた。
「義兄《おにい》さま、どちらに行かれるのですか?」
私は、怒った声で言うた。
「外へのみにいく!!お前らがイチャイチャしているからいらつくのだよ!!」
「義兄《おにい》さま、もうすぐごはんができますよ!!」
「いらん!!捨てろ!!」
弟嫁《よめ》を怒鳴りつけた私は、家から出て行った。
ところ変わって、近所の居酒屋にて…
テーブルには、冷酒と枝豆と冷やっことエビチリがならんでいた。
有線放送《ユーセン》のスピーカーから、真帆香ゆりさんの歌で『赤ちょうちんの詩《うた》』が流れていた。
私の周囲の席にいるカップルたちが楽しくおしゃべりしながらお酒をのんでいた。
それを見た私は、表情が曇った…
好きなカノジョがほしい…
だけど…
私は…
両親と弟のために全部ガマンした…
そして…
周りの従業員さんたちのために…
全部ガマンした…
私はこの時、数時間前のことを思い出した。
今から数時間前のことであった。
ところ変わって、私が働いている会社のオフィスにて…
私が仕事をしている時に、会社の上司が白い袋を持ってやって来たあと言いにくい声言うた。
「弥太郎さん…ちょっといいかな?」
「あっはい。」
「総務の芳村くんの結婚が決まったので…カンパをお願いできるかな?」
「またですか?」
「またと言われて困るのだよ…芳村くん、カノジョとふたりで決めた挙式披露宴の予算が40万円不足したのだよ…」
「困りますよ!!」
「そう言わんとこの通り頼む…」
私は、財布から3万円を出したあとカンパ袋に入れた。
上司はニコニコ顔で『すまないね。』と言うたあと、こう言うた。
「ところで、弥太郎さん。」
「はい。」
「弥太郎さんは、結婚しているのかな?」
「してません!!」
「どうして?」
「周りの人間のためにガマンしているのです!!ふざけるな!!」
私は、ものすごい血相で怒ったあと外へ出た。
上司は、生ぬるい表情で私の背中を見つめた。
時は、夜10時頃だった。
ところ変わって、家のダイニングにて…
弟夫婦は、ダイニングキッチンのテーブルでお茶をのみながら話をしていた。
「ねえ…」
「何だよ…」
「どうすればいいのよ?」
弟は、情けない声で言うた。
「兄貴の話はするなと言うただろ!!」
「だけど、義兄《おにい》さまがかわいそうよ〜」
「あのな!!今の兄さんは、条件が(多少)悪いから結婚できないのだよ!!」
「どうして決めつけるのよ?」
「できないものはできないのだよ!!」
「それじゃあどうするのよ?義兄さまにずっと独身でいろと言いたいのね!!」
「仕方ないだろ!!ガマンしてくれと言うしかないのだよ!!兄貴は、ぼくたちのためにガマンしているのだよ!!」
「だけどね〜」
「うるさい!!オレがつかれている時に兄貴の話をするな!!もういい!!」
思い切りブチ切れた弟は、席を立ったあとダイニングから出た。
やりきれない表情を浮かべている弟嫁《よめ》は、あたりをキョロキョロと見渡した。
それから2か月後であった。
私は、自分一人の力だけで花嫁さんを見つけようと決意した。
私は、職場の人のすすめでお見合いパーティーに参加した。
しかし、うまく行かずに途中で帰った。
複数の結婚相談の店を回ったけど、全部断られた。
最初は意気込んでがんばったのに、どこかで気持ちが脱線した。
その結果、次第にしんどくなったので投げた。
コンカツなんかやーめた…
花嫁なんかいらん…
そんな時であった。
私の勤めている会社が多少の人員整理を行うことを聞いた。
会社が早期希望退職者を募っている話を聞いた私は、すぐに申し出た。
気持ちがすごく疲れている…
これ以上はムリだ…
私は、会社を早期退職した。
それと同時に、大きな決断を下した。
家のキッチンに弟夫婦がいた。
弟夫婦がおそろいのエプロンをつけて料理をしていた。
「ねーえ、じゃがいもの皮むけた?」
「うん、むけたよ。」
「それじゃあ、にんじんの皮もむいてもらおうかな?」
弟夫婦がラブラブになっているのを見た私は、怒って席を立ったあと外へ出ようとした。
この時、弟嫁《よめ》が私に声をかけた。
「義兄《おにい》さま、どちらに行かれるのですか?」
私は、怒った声で言うた。
「外へのみにいく!!お前らがイチャイチャしているからいらつくのだよ!!」
「義兄《おにい》さま、もうすぐごはんができますよ!!」
「いらん!!捨てろ!!」
弟嫁《よめ》を怒鳴りつけた私は、家から出て行った。
ところ変わって、近所の居酒屋にて…
テーブルには、冷酒と枝豆と冷やっことエビチリがならんでいた。
有線放送《ユーセン》のスピーカーから、真帆香ゆりさんの歌で『赤ちょうちんの詩《うた》』が流れていた。
私の周囲の席にいるカップルたちが楽しくおしゃべりしながらお酒をのんでいた。
それを見た私は、表情が曇った…
好きなカノジョがほしい…
だけど…
私は…
両親と弟のために全部ガマンした…
そして…
周りの従業員さんたちのために…
全部ガマンした…
私はこの時、数時間前のことを思い出した。
今から数時間前のことであった。
ところ変わって、私が働いている会社のオフィスにて…
私が仕事をしている時に、会社の上司が白い袋を持ってやって来たあと言いにくい声言うた。
「弥太郎さん…ちょっといいかな?」
「あっはい。」
「総務の芳村くんの結婚が決まったので…カンパをお願いできるかな?」
「またですか?」
「またと言われて困るのだよ…芳村くん、カノジョとふたりで決めた挙式披露宴の予算が40万円不足したのだよ…」
「困りますよ!!」
「そう言わんとこの通り頼む…」
私は、財布から3万円を出したあとカンパ袋に入れた。
上司はニコニコ顔で『すまないね。』と言うたあと、こう言うた。
「ところで、弥太郎さん。」
「はい。」
「弥太郎さんは、結婚しているのかな?」
「してません!!」
「どうして?」
「周りの人間のためにガマンしているのです!!ふざけるな!!」
私は、ものすごい血相で怒ったあと外へ出た。
上司は、生ぬるい表情で私の背中を見つめた。
時は、夜10時頃だった。
ところ変わって、家のダイニングにて…
弟夫婦は、ダイニングキッチンのテーブルでお茶をのみながら話をしていた。
「ねえ…」
「何だよ…」
「どうすればいいのよ?」
弟は、情けない声で言うた。
「兄貴の話はするなと言うただろ!!」
「だけど、義兄《おにい》さまがかわいそうよ〜」
「あのな!!今の兄さんは、条件が(多少)悪いから結婚できないのだよ!!」
「どうして決めつけるのよ?」
「できないものはできないのだよ!!」
「それじゃあどうするのよ?義兄さまにずっと独身でいろと言いたいのね!!」
「仕方ないだろ!!ガマンしてくれと言うしかないのだよ!!兄貴は、ぼくたちのためにガマンしているのだよ!!」
「だけどね〜」
「うるさい!!オレがつかれている時に兄貴の話をするな!!もういい!!」
思い切りブチ切れた弟は、席を立ったあとダイニングから出た。
やりきれない表情を浮かべている弟嫁《よめ》は、あたりをキョロキョロと見渡した。
それから2か月後であった。
私は、自分一人の力だけで花嫁さんを見つけようと決意した。
私は、職場の人のすすめでお見合いパーティーに参加した。
しかし、うまく行かずに途中で帰った。
複数の結婚相談の店を回ったけど、全部断られた。
最初は意気込んでがんばったのに、どこかで気持ちが脱線した。
その結果、次第にしんどくなったので投げた。
コンカツなんかやーめた…
花嫁なんかいらん…
そんな時であった。
私の勤めている会社が多少の人員整理を行うことを聞いた。
会社が早期希望退職者を募っている話を聞いた私は、すぐに申し出た。
気持ちがすごく疲れている…
これ以上はムリだ…
私は、会社を早期退職した。
それと同時に、大きな決断を下した。