恐る恐るそのページを開く。そこには微笑む高槻さんの写真と一緒に、記事のタイトルが記載されていた。
〝ストーカー被害の撲滅を訴え講演 高槻真知子さんに聞く〟
記事を読み進めると、高槻さんはあれからストーカー被害者たちによる自助グループに参加し、あまりにもの悲惨さに彼ら彼女らの中から有志を募り、ボランティアグループを結成。ストーカー被害に悩む人たちに協力し、シェルターを用意したり接近禁止令が出るよう一緒に警察に届け出たりと、サポート活動に従事しているのだと書かれていた。
俺は高槻さんが作ったボランティア団体についてさらに調べてみた。SNSのアカウントも複数あり、そのうちの一つを使ってメッセージの送信画面を開いた。
開いたは良いが、何と送れば良いか迷った。お久しぶりですね? 俺のこと覚えてますか? いや、違うな……。
悩んだ末に、あのときは申し訳なかったこと、できれば会って謝罪したいこと、不快にさせてしまったならこれは削除して忘れてほしいことを書いて送った。



