「……ここのバスから大学行きのに乗って、五つめの停留所にありますよ」
俺がスマートフォンで調べて伝えると、彼女は笑顔になって「わざわざありがとうございます」と会釈をして去っていった。目当ての商品を買えるといいが。
……俺も、彼女に会えるといいが。
そこで気持ちを切り替えて、俺は仕事に集中した。これ以外にも巡回や業者とのやり取りなどやらないといけないことは山ほどある。その全てに真摯に取り組んで、引き継ぎ作業を済ませて退勤した。
さぁ、次の仕事までにできることをしておかなくては。
俺はまずインターネットで検索してみることにした。
家への道すがら、公園のベンチに座り〝高槻真知子〟で検索してみる。出てくるにしてもあの事件の記事か、全く出てこないかのどちらかだろう。それでもほんの僅かな手がかりが欲しくて、検索中の画面をただひたすら見つめた。
「は……」
呼吸が止まるかと思った。



