おっ、この子が繭なのね。

顔は可愛いが、ぽっちゃり気味で、確かに目立つタイプではない女の子だ。

繭の見つめる先を、私も追う。

そこには、長身で二枚目、全身ブランドで固めた若者が。

この人が冷徹な御曹司かぁ。

あ!御曹司が繭のほうに向かって歩いてきた!

すれ違いざま、繭は何かを言おうとしたのに、御曹司は繭のことは全く見えていない様子で通り過ぎてしまう。

えー…この恋を実らせるの?

繭、ため息ついてるけど…。