7月15日、あなたに告白します。

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 僕は時折、聖人君子みたいに言われることがある。
 でも自分自身よくわかっている。

 僕ほどズルくて、汚い人はいないって。


『おはよ、天ヶ崎くん・・・!』


 毎朝、僕は日野さんが僕に向ける笑みを見て、安心していた。

 人の感情には、敏いほう。
 日野さんの気持ちが自分に向いていることを、僕は薄々感じていた。


(・・・ああ、嫌だな)


 自分の身勝手さに、我ながら辟易する。



 ふたりきりの保健室。
 セミの鳴き声。
 グラウンドから遠巻きに聞こえる歓声。

 青春色にきらめくその中で、僕の心のなかだけが暗く黒くとぐろを巻いていた。

 目の前に座る日野さんの目に……僕の姿はない。
 昨日まであったはずの暗い安心感が、そこにはもうない。


「・・・好きな人とか、いるの?」


 僕の言葉で、日野さんが動揺するのが手に取るように分かった。

 嫌だ。
 応助の恋を邪魔するようなこと、したくないのに。

 日野さんの瞳が揺れる。


(これ以上口を開けば・・・)



 これ以上口を開けば、自分で自分のことを、許せなくなってしまう。

 わかっている。
 わかっているのに。

 ズルい自分が、身勝手に口を開く。


「・・・僕じゃだめかな?」


 ・・・ああ。
 応助のことなんて好きにならなければ、僕は僕を好きでいられたのに。