7月15日、あなたに告白します。

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「天ヶ崎さー、あの山本先輩に告白されたんだって?」


 クラスメイトの言葉に、僕は困って眉を下げた。
 なんでこうも、告白しただの、そういう噂はすぐに広まるんだろうか。


「いやー天ヶ崎ってほんとモテるよなー。でも天ヶ崎がモテる理由はわかるわ、イケメンだし性格いいし勉強も運動できるし」

「天ヶ崎って逆に何ができねーの?」

「いやわかる、悩みとかなさそう」


 悩みなさそう。
 僕はよく、そう周りに言われる。


「僕だって悩みがないわけじゃないよ」

「まじー?」


 最近買いだしたハムスターの名前とか。
 部活の副部長を引き受けるかどうかとか。

 それに。


「清翔」


 長身の男子が、気だるげな表情で僕に呼びかけてくる。
 無気力で、無表情で、無愛想で。

 でも困っている人は放っておけない、お人好しな僕の親友。


「応助、先生との話終わった?」

「おう。長くなりそうだったからいい感じのとこで逃げて来た」


 そう言って少しだけ二ヤリと微笑むと、お弁当を片手に僕の前の席に腰かける。
 こうしてお昼ご飯を一緒に食べるのは、中学から続く僕らの日課。


「大丈夫?あとで怒られたりしない?」

「大丈夫だって。それに清翔との昼飯のが俺にとっては大事」


 ・・・こういうことを、恥ずかしげなく言ってのけてしまう。
 それが佐倉応助という人。

 僕の親友であり―――――。


「いただきます」


 応助は厚い玉子焼きを一口で頬張った。
 そして小さく微笑んだ。

 その表情が僕の心を揺らしそうで、僕は視線を外す。


「・・・あ」


 応助が小さく言葉を発する。
 その視線の先は、見なくてももうわかっている。

 クラスメイトの日野永さん。

 応助の好きな人だ。


「・・・日野さん、また日直の代わりに黒板消してるね」

「え!な、なんで・・・!」


 なんで日野さんを見ていると気づいたのか、とでも言いたげな慌てぶり。

 応助が日野さんを好きなこと、本人から聞いたわけじゃない。
 でも聞かなくたってわかる。

 ・・・好きな人の、好きな人くらい。