7月15日、あなたに告白します。

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ジリリリリリリリ――――――!!


「・・・んぅ」


 私は寝ぼけた頭でスマホを見る。


「しちがつ・・・じゅうろくにち・・・」



 画面に表示された日付を読み上げ、にんまりと笑う。
 間違いない。

 今日は、7月16日。

 眠気なんてどこかへすっ飛んでいって、私は体を起こした。


「・・・よし!」


 清々しい気持ちで階段を降りる。


「おはよ!お父さん、お母さん!」

「おお、今日はやけに早起きだなぁ」


 何気ない、でも確実に初めての会話をしながら、私は朝食を食べた。

 当たり前の、ありきたりな、ありふれた一日。


「永、今日もバスで行くの?」

「うん!」


 私は余裕をもって出る準備をして、お母さんを振り返る。



「・・・ん?どうしたの?」

「・・・ううん、なんでもない!行ってきます!」


 いつも通り、でも今日は7月16日。
 あふりれた家族との会話も、朝の情報番組も、なにもかも昨日までの繰り返しではないんだ。


「・・・佐倉くん!おはよ!」


 バス停ではすでに佐倉くんが待っていて。
 私を見つけると、嬉しそうに目を細めた。


「日野、おはよう」


 私は幸せを噛みしめながら、佐倉くんの隣に並んだ。


「ねぇねぇ、明日からはバス一本早めない?」

「えー・・・一本前は混むだろ」

「でもさぁ、今後もしこのバスで通うとしたら、だよ?万が一遅刻するってなったとき、毎回一緒に遅刻することになるわけじゃん」

「だめなのか?」

「恥ずかしいじゃん!」


 バスを待つ間、私達は他愛もない会話を交わした。


「そういえばさ、日野って呼ぶのやめない?」

「え・・・なんで」

「いやだってほら・・・付き合ったんだし」

「・・・・」


 ポリポリと佐倉くんが頬を掻く。
 困ったな、とでも言いたげに。


「昔会ったときは下の名前で呼んでたよね?」

「・・・うん、まあ」

「じゃあそのときと同じように呼んでよ!」

「・・・・」


 佐倉くんは少し視線さまよわせたあと、あ、とつぶやく。


「バス来たぞ」

「もー!逃げたー!」


 佐倉くんは私の抗議の声を無視してバスに近づく。


「ほら行くぞ・・・は、永――――――さん」

「あ!」


 佐倉くんはそのままそっぽを向いてバスに乗り込んだ。


「もう、なんでさん付けなのー!」


 そう言って私も笑いながら追いかける。

 こんな、ありきたりだけど、でも新しい一日を。
 これからもずっと。