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『大丈夫?』
幼い男の子の声で、私は顔を上げた。
私と同い年くらいの、小さな男の子。
でもその手は確かに私に差し伸べられていて。
『迷子なの?助けてあげようか?』
なんだかその彼が、私にはとても頼もしくて。
周りにいる大人たちよりずっと。
『・・・うん。まいご・・・』
私はゆっくりとその男の子の手を取った。
『僕も迷子』
『えっ?』
『いっしょに、お母さんとお父さんをさがそう』
迷子が、二人して手を繋いで。
今思えばなんて無謀な、って思うけど、そのときの私は涙が出るくらいうれしかった。
ほんの数秒前まで、世界にたった独りぼっちにされたような気持ちだった。
家族の姿がどこにも見当たらなくて。
大げさだけど、小さな私はこのまま誰にも見つからずに死んじゃうんだって。
そう思って涙があとからあとからあふれてきたんだ。
『みてみて。この金魚さん、さっき僕がとったんだよ』
『そうなの!?すごい!!』
『あ、でもね、こっちの大きいのはお父さんがとったやつで――――』
その男の子は、私にいろんな話をしてくれた。
さっきまで世界に独りぼっちだった私は、いつの間にか彼と同じ世界に立っていた。
涙なんて、気づけば乾いていた。
『僕ね、もう少しで妹が生まれてお兄ちゃんになるんだ!』
『そうなの!?ハルカもお姉ちゃんになりたい!』
いろんな話をして。
そうしているうちに、私の手の震えも・・・その子の手の震えも、収まっていたんだ。
どのくらい時間が経ったのだろう。
迷子センターにたどり着いた私たちは、両親と無事に再会を果たした。
『あのね、あのね・・・僕ね、もう少ししたらお引っ越しするんだって』
『・・・なら、もう会えない?』
『でもね、でも・・・ハルカちゃんと僕もう一回会いたい』
『ハルカも、会いたい・・・』
『あのね、僕・・・絶対にもう一回帰ってくるから』
桜まつりの、大きな桜の下で出会った男の子。
その子と交わした再会の約束。
『じゃあ、約束ね!』
『うん!ゆびきりげんまん、うそついたら――――』
小さな2本の小指が、結んで離れる。
あの瞬間を私は、時折今でも夢に見るんだ。
『大丈夫?』
幼い男の子の声で、私は顔を上げた。
私と同い年くらいの、小さな男の子。
でもその手は確かに私に差し伸べられていて。
『迷子なの?助けてあげようか?』
なんだかその彼が、私にはとても頼もしくて。
周りにいる大人たちよりずっと。
『・・・うん。まいご・・・』
私はゆっくりとその男の子の手を取った。
『僕も迷子』
『えっ?』
『いっしょに、お母さんとお父さんをさがそう』
迷子が、二人して手を繋いで。
今思えばなんて無謀な、って思うけど、そのときの私は涙が出るくらいうれしかった。
ほんの数秒前まで、世界にたった独りぼっちにされたような気持ちだった。
家族の姿がどこにも見当たらなくて。
大げさだけど、小さな私はこのまま誰にも見つからずに死んじゃうんだって。
そう思って涙があとからあとからあふれてきたんだ。
『みてみて。この金魚さん、さっき僕がとったんだよ』
『そうなの!?すごい!!』
『あ、でもね、こっちの大きいのはお父さんがとったやつで――――』
その男の子は、私にいろんな話をしてくれた。
さっきまで世界に独りぼっちだった私は、いつの間にか彼と同じ世界に立っていた。
涙なんて、気づけば乾いていた。
『僕ね、もう少しで妹が生まれてお兄ちゃんになるんだ!』
『そうなの!?ハルカもお姉ちゃんになりたい!』
いろんな話をして。
そうしているうちに、私の手の震えも・・・その子の手の震えも、収まっていたんだ。
どのくらい時間が経ったのだろう。
迷子センターにたどり着いた私たちは、両親と無事に再会を果たした。
『あのね、あのね・・・僕ね、もう少ししたらお引っ越しするんだって』
『・・・なら、もう会えない?』
『でもね、でも・・・ハルカちゃんと僕もう一回会いたい』
『ハルカも、会いたい・・・』
『あのね、僕・・・絶対にもう一回帰ってくるから』
桜まつりの、大きな桜の下で出会った男の子。
その子と交わした再会の約束。
『じゃあ、約束ね!』
『うん!ゆびきりげんまん、うそついたら――――』
小さな2本の小指が、結んで離れる。
あの瞬間を私は、時折今でも夢に見るんだ。


