7月15日、あなたに告白します。

==========



 結局佐倉くんとは話す時間もないまま、放課後がやってきた。


「じゃあねー、永。お説教タイム、がんばってー」

「もう、他人事だと思ってー」


 深友とお別れして、私は一人職員室へと向かう。

 佐倉くんと顔を合わせて、それで・・・なんて言えばいいんだろう。


「今のまま告白なんてして、うまくいくのかな・・・」


 思わず深いため息をつく。
 そうこうしている間にも職員室は一歩、また一歩と近づいてくる。


(・・・前の周では、ここで)


 こうして職員室の入り口に、佐倉くんが立っていて―――――。


「・・・あれ・・・?」


 佐倉くんがいない。
 以前の周では、確かにここで落ち合って、そして呼び出した本人の坂田先生がいないことに愚痴を言って。

 そんな他愛ない時間があったのに。

 動揺しながら辺りを見渡していたら、職員室に向かってくる坂田先生の姿が目に入る。


「よし、日野()ちゃんと来てるな」


 坂田先生は開口一番にそう言った。


「・・・日野は、って・・・先生、あの、佐倉くんは・・・?」

「佐倉な、あいつサボりだ。サボるけど反省文あとで出します、ってさ、ご丁寧にメモ置いてやがって」


 そう言ってヒラヒラとノートの切れ端を見せてきた。
 そこにあるのは確かに佐倉くんの字で。


(・・・前のループのとき、佐倉くんはサボったりしなかったもの。今回の私の行動で、今回の佐倉くんの行動が変わっちゃったんだ)


 要するに。
 検討の余地もなく、避けられている、ということだ。

 なにより。


「日野、行くぞー」

「・・・はい」


 私は力なく坂田先生の後に続いた。


『帰り、いっしょにどう、ですか・・・?』

『・・・お、俺でよければ・・・』


 朝かわしたあの約束を、佐倉くんは反故にしたんだ。
 佐倉くんはひっそりと、でも確実に、私を拒否したんだ。

 その事実が私の心をむしばんで・・・先生の言葉なんて、どうしたって耳に入りそうもなかった。