7月15日、あなたに告白します。

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 何時間くらい泣いただろう。
 途中お母さんが帰ってきた物音が聞こえたし、小学生が帰っていく声も聞こえた。

 気づけば、もう15時をまわっていた。

 さすがに泣き疲れて、私は何の感情も抱かない真っ平らな心で、ひたすら天井を見つめた。
 昨日の夜眠るときは、やっと7月16日が来るんだと、やっとこの地獄から出られるんだと、涙が出そうなほど喜んで、うれしすぎて眠れず、わくわくしながらこの天井を見上げたものだけれど、もう今となっては遠い昔のように感じる。


「・・・・」


 私は魂が抜けたような顔のまま、のそのそと体を起こした。

 頭がいたい・・・、体もいたい・・・、お腹もいたい・・・。

 一日中何も食べず、飲まず、ただひたすらベッドで泣き続けたもんだから、水分も塩分も栄養も運動も、なにもかも足りてない。
 変にまるまったままでいたせいで痛む背中をさすりつつ、一階に降りた。
 数時間ぶりなのに、なんだかものすごく久しぶりに感じる。


「永、何か食べる?」


 キッチンに立っていたお母さんが、そう言ってにっこり笑った。


「・・・おなか、すいた・・・」

「あら、声がかすれてる・・・喉に優しいものにしようか」


 そう言って嬉しそうに料理に取り掛かるお母さん。
 喉に優しいもの・・・さすがにカレーではないはずだ。

 久しぶりにカレー以外のお母さんのご飯が食べられるのかと思うと、期待でお腹が盛大になった。


「ふふっ、あらあら」


 お母さんはそれを聞いてまた嬉しそうに笑った。

 そして手際よく料理を作り、20分ほどで野菜たっぷりなチキンスープと、チーズのリゾットが並べられた。


「・・・・いただきます」


 私は挨拶も早々に、スプーンを手に取り一口目を頬張った。


「・・・っ!」


 私は無言で、ただひたすら、欲望のままにご飯をかきこんだ。
 さっきまで生きることすら諦めていたような状態だったのに、生きるために、ひたすら食べて、食べて、食べ続けた。
 心が生きることを拒んでいても、私の体は生きようともがいていた。


「・・・・ごちそうさま・・・でした・・・」

「はい、おいしかった?」


 にこにこしながらそう聞いてくるお母さんを、私はまっすぐに見つめた。


「本当に、本当においしかったよ、お母さん・・・」


 心が、体が、潤った気がした。
 ほんの小さな、でも確実な、生きるための足掛けが、手に入った気がした。