7月15日、あなたに告白します。

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 何分、何十分そうしていただろうか。
 空き教室で、私は呆然自失と立ち尽くしたまま、時間だけが過ぎていた。

 部活もない今日は、学校内から音が消えていて。

 ただ静かな時間が、虚無に流れていく。

 静寂を破ったのは、空き教室に近づく誰かの足音。
 そして足音の主は教室の前で立ち止まり、扉を開けた。


「―――――日野、まだ残ってたのか」


 佐倉くんの低い声が、私を包んだ。
 私は、ゆっくりゆっくりと、そちらを向いた。

 私の表情を見た途端、告白はうまくいかなかったんだと、佐倉くんはすぐにわかったみたいだった。


「・・・日野、ごめんな・・・力になれなくて・・・」


 佐倉くんが、唇を噛んだ。
 そして私の近くに来て、そっと私の手を握った。

 ぎこちなくて、不器用で、慣れてないってすぐわかるような握り方。


「・・・日野を救ってあげれなくて・・・ごめん・・・」


 佐倉くんのせいじゃない。
 佐倉くんのせいなわけない。

 そう言おうと思ったのに・・・言葉が喉の奥に張り付いて、出てこなかった。

 佐倉くんはそれもわかったような感じで、私の手を握る力を強めた。

 なんだかそこで初めて、私の中の糸が緩んだ。


「・・・っ・・」


 私の瞳から、涙がこぼれる。
 佐倉くんは自分の袖を使って、不器用に涙を拭いてくれた。

 拭いてくれたけど、あとからあとから涙が出た。


「・・・さくら、く・・・なんで・・・ここに・・・」

「ここで告白するって聞いてたから、一応見に来た。まさかまだ残っているとは思わなかったけど・・・」


 こうして私は、期せずして、十一周目と十二周目の佐倉くんも、私が帰った後空き教室に顔を出していたことを知った。

 佐倉くんは、私が泣きやむまで静かに側に居続けた。