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放課後。
空き教室で、時計を見上げた。
(16時15分だから・・・あと6分―――――)
天ヶ崎くんが来るまでの残り時間を確認した瞬間、がらっと扉があいた。
「えっ!?」
「遅くなってごめん、ちょっと先生に呼び止められて」
いつもは16時21分に慌てて駆け込んでくるはずの天ヶ崎くんが、6分早く入ってきた。
歩いてきたからかいつもとは違い息が上がっている様子もない。
戸惑いつつ、告白しようかと思った矢先、天ヶ崎くんが先に話し始める。
「先にちょっと、報告してもいいかな?」
「え・・・あ、うん」
「ついさっき顧問の先生と話してきて。副部長、引き受けるって伝えてきたよ」
「!」
副部長を引き受けることを決めたから、顧問の先生との話が早く終わったってことか。
これって・・・本当の本当に、可能性があるかも。
なんだか、すべてがうまく行ってる気がする。
「日野さんのおかげで決断できたから・・・どうしても報告しておきたくて」
これって!これって・・・!これって・・・!!
私は破裂しそうなほどの期待で膨らむ胸を落ち着かせ、口を開いた。
「・・・天ヶ崎くん、今日私が天ヶ崎くんを呼んだのはね、私からも、どうしても言っておきたいことがあって」
「うん」
「私・・・!天ヶ崎くんのことが好きです!!」
今の私ができる精いっぱいの気持ちをのせて、気持ちを伝えた。
私の気持ち、精いっぱいの気持ち、どうか、どうか、どうか受け取って。
どうか、どうか―――――。
何度も何度も何度も心の中で祈った。
天ヶ崎くんは、私の瞳を、まっすぐに見つめ返した。黙ったまま。
そして。
「・・・・っごめん!」
勢いよく、天ヶ崎くんが頭を下げた。
「・・・・え・・・?」
気づけば声が出ていた。
私の視界が、なんだか色あせていく。
「日野さんのおかげで決断できて、お礼も言った。だから本当は気持ちに応えたいって思う。・・・けど今は誰とも付き合う気がなくて・・・そんなあいまいな気持ちで日野さんと付き合うの、逆に失礼だと思うんだ・・・」
「・・・いま・・・だれとも・・・つ・・・き・・・・」
放心状態の私は、呆然とただ言葉を繰り返す。
「都合いいこと言って、本当にごめん・・・」
天ヶ崎くんの、真剣な声。
でもその言葉すら・・・耳に入ってこない。
天ヶ崎くんは、しばらくの間何も言わず頭を下げ続けていた。
そして頭を上げた後、私の顔をうかがう。
「・・・ごめんね・・・」
天ヶ崎くんは私の顔を見て、もう一度かすれるような声で謝った。
きっと私が、見ていられないほどひどい顔をしていたんだろう。
感情が抜け落ちたかのような、人形のような顔を。
あまりにも動かない私に、天ヶ崎くんが困ったように視線を逸らす。
「・・・あの、僕・・・」
「・・・いいから」
かろうじて、私はそうつぶやいた。
「・・・またあした・・・」
うまく、言えていただろうか。
自分ではわからなかった。
天ヶ崎くんは小さくうなずくと、もう一度頭を下げて、教室を出て行った。
夕日でオレンジ色に染まったはずの教室が、色あせて見えた。
放課後。
空き教室で、時計を見上げた。
(16時15分だから・・・あと6分―――――)
天ヶ崎くんが来るまでの残り時間を確認した瞬間、がらっと扉があいた。
「えっ!?」
「遅くなってごめん、ちょっと先生に呼び止められて」
いつもは16時21分に慌てて駆け込んでくるはずの天ヶ崎くんが、6分早く入ってきた。
歩いてきたからかいつもとは違い息が上がっている様子もない。
戸惑いつつ、告白しようかと思った矢先、天ヶ崎くんが先に話し始める。
「先にちょっと、報告してもいいかな?」
「え・・・あ、うん」
「ついさっき顧問の先生と話してきて。副部長、引き受けるって伝えてきたよ」
「!」
副部長を引き受けることを決めたから、顧問の先生との話が早く終わったってことか。
これって・・・本当の本当に、可能性があるかも。
なんだか、すべてがうまく行ってる気がする。
「日野さんのおかげで決断できたから・・・どうしても報告しておきたくて」
これって!これって・・・!これって・・・!!
私は破裂しそうなほどの期待で膨らむ胸を落ち着かせ、口を開いた。
「・・・天ヶ崎くん、今日私が天ヶ崎くんを呼んだのはね、私からも、どうしても言っておきたいことがあって」
「うん」
「私・・・!天ヶ崎くんのことが好きです!!」
今の私ができる精いっぱいの気持ちをのせて、気持ちを伝えた。
私の気持ち、精いっぱいの気持ち、どうか、どうか、どうか受け取って。
どうか、どうか―――――。
何度も何度も何度も心の中で祈った。
天ヶ崎くんは、私の瞳を、まっすぐに見つめ返した。黙ったまま。
そして。
「・・・・っごめん!」
勢いよく、天ヶ崎くんが頭を下げた。
「・・・・え・・・?」
気づけば声が出ていた。
私の視界が、なんだか色あせていく。
「日野さんのおかげで決断できて、お礼も言った。だから本当は気持ちに応えたいって思う。・・・けど今は誰とも付き合う気がなくて・・・そんなあいまいな気持ちで日野さんと付き合うの、逆に失礼だと思うんだ・・・」
「・・・いま・・・だれとも・・・つ・・・き・・・・」
放心状態の私は、呆然とただ言葉を繰り返す。
「都合いいこと言って、本当にごめん・・・」
天ヶ崎くんの、真剣な声。
でもその言葉すら・・・耳に入ってこない。
天ヶ崎くんは、しばらくの間何も言わず頭を下げ続けていた。
そして頭を上げた後、私の顔をうかがう。
「・・・ごめんね・・・」
天ヶ崎くんは私の顔を見て、もう一度かすれるような声で謝った。
きっと私が、見ていられないほどひどい顔をしていたんだろう。
感情が抜け落ちたかのような、人形のような顔を。
あまりにも動かない私に、天ヶ崎くんが困ったように視線を逸らす。
「・・・あの、僕・・・」
「・・・いいから」
かろうじて、私はそうつぶやいた。
「・・・またあした・・・」
うまく、言えていただろうか。
自分ではわからなかった。
天ヶ崎くんは小さくうなずくと、もう一度頭を下げて、教室を出て行った。
夕日でオレンジ色に染まったはずの教室が、色あせて見えた。


