7月15日、あなたに告白します。

=========



 試合終了のホイッスルが鳴り響き、佐倉くんを見つけて天ヶ崎くんが近づいてきた。


「応助、ここにいたんだ」


 そしていつもと同じように、天ヶ崎くんは佐倉くんの隣に座っていた私に目を留める。


「・・・日野さん?日野さんとしゃべってたの?」

「ああ。たまたま近くにいただけだけどな」

「へぇ・・・あんまり二人がしゃべってるの見たことない気がするから意外」


 この辺の会話ももう何度目か。


「・・・応助、次試合でしょ。がんばってね」

「おう」


 佐倉くんが小さく手を振って、コートに入っていった。
 そしてやはり同じ流れで、天ヶ崎くんが私の隣に来る。


「日野さん、隣いい?」

「うん!」


 天ヶ崎くんが腰をおろしたことを確認し、私は話しかけた。


「ね、朝の・・・考えとくって言ってたやつ、どうなった?」

「うん、考えてみたんだけど――――」


 天ヶ崎くんはもう迷いなく言葉を続けた。


「やっぱり、副部長引き受けようと思う。僕自身は、引き受けてみたいって思うから。周りのこと考えて引き受けないの、もったいないなって思った」


 天ヶ崎くんの言葉を聞いて私はにっこり笑ってみせたけど、心の中では面食らっていた。
 背中を押すつもりだったのに、もう覚悟決めちゃってるよ・・・。

 これはもう解決ってことでいいんだろうか。
 想像の5倍ぐらいは楽に解決しちゃったんだけど。

 固まる私に、天ヶ崎くんは視線を向ける。


「朝はありがとう」

「へ?何が・・・?」

「日野さんが、周りがどうとかの前に僕の考えはどうなのかって聞いてくれたから、引き受けようって思えたんだ」


 天ヶ崎くんが少しだけ照れ臭そうに笑った。


「だから・・・ありがとう」


 その言葉で、私も心からほほえんだ。
 きっと天ヶ崎くんは私の助けなんてなくたっていつかはきちんと決断したんだろう。でもそのほんのちょっとの後押しができたなら、それでいい気がした。


「うん。副部長、がんばってね」

「うまくできるかわからないのは変わらないけどね・・・」

「それはきっと天ヶ崎くんなら大丈夫!・・・あ、でももし天ヶ崎くんでも乗り越えられそうにないときはさ」


 私は天ヶ崎くんの勇気のうち、ほんのちょっとでも増やせたらいいなって気持ちを込めて、まっすぐに天ヶ崎くんを見つめた。


「私がいっしょに乗り越えるよっ!」

「・・・!」

「私っ!結構強いから!あ、喧嘩は弱いけど・・・」


 私、逆境には強いほうだ。
 特にこのループでもっと強くなってる気がする。


「あはは、頼もしいや。ありがとう」


 天ヶ崎くんは晴れ晴れとした感じでそう言った。