7月15日、あなたに告白します。

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 放課後の空き教室。
 もうお馴染みのこの待ち時間。


(・・・佐倉くん、うまくやってるかな・・・)


 今頃天ヶ崎くんは職員室でサッカー部の顧問の先生となにか話をしているはずだ。
 佐倉くんは、それを隠れて盗み聞ぎする、って言ってたけど。

 そんなにうまく行くんだろうか。

 不安に思いつつ待っているうちに、気づけば時計が16時21分45秒を指し示す。


「遅くなってごめんっ、ちょっと先生に呼び止められて・・・っ」

「ううん、大丈夫だよ」


 今回は朝からうまくキャラ付けができず、素のまま話してしまっていたので、告白も余計なことは考えないでおくことにした。


「天ヶ崎くん」

「ん?」

「好きです」


 一周目の告白も、ありのまま、何も考えず気持ちを伝えた。
 でもあの時の私は緊張と恥ずかしさで全然言いたいことが言えてなかった。

 だけど十一周目の私は違う。


「天ヶ崎くんの顔がかっこよくて身長が高いことはもちろんだけど、でも私が惹かれたのはそこじゃないんだ」

「・・・・うん」

「何事にも真摯に向き合うところ、思いやりがあるところ、努力するのにそれを見せないところ、全部すごいって思ってる。恋愛とか、そういうの抜きにしても天ヶ崎くんのこと本当に尊敬してる」


 天ヶ崎くんが私の顔を食い入るように見る。


「だから・・・たとえ付き合えなくても、天ヶ崎くんっていう人と関われたこと、私の人生の大切なピースだって思う」


 思わず告白なのに「たとえ付き合えなくても」なんて言ってしまった。
 まだ「付き合ってください」とすら言ってないのに。

 私はあわてて付け足す。


「あ、でっ、でも付き合ってくれたらもちろんうれしい!もう、この上なくうれしい!つ、伝わってるかわかんないけど本当にうれしいからねっ?あの、どのくらいうれしいかというと―――――」

「ふふっ、いいよ、わかってる、伝わってるよ」


 天ヶ崎くんが、優しくほほえんだ。
 見惚れそうになる自分を叱り飛ばし、言葉を続ける。


「・・・で、あの、だから・・・つ、付き合ってほしい、です・・・」


 天ヶ崎くんが沈黙した。

 一周目よりずっと素直に気持ちを伝えられた。
 天ヶ崎くんの素敵だと思うところ、きちんと言えた気がする。

 だから。


「・・・気持ちはうれしいんだけど・・・ごめん。今は誰とも付き合う気がなくて・・・」


 たとえ振られても、なんだか晴れ晴れとした気持ちだった。