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ピンポーン
私はドキドキする胸を押さえ、チャイムを鳴らした。
しばらくして、近くの高校の制服に身を包んだ女性が顔をだす。
「えっと・・・どちら様ですか・・・?」
「あっ、あのっ、私佐倉くんの・・・佐倉 応助くんのクラスメイトでっ、日野 永って言います。佐倉くんにどうしても用があって・・・」
「応助に?」
「朝早くに押しかけてごめんなさいっ、あの、どうしても朝のうちじゃないとだめなんです・・・」
佐倉くんのお姉さんと思しき人は不思議そうにしていたけど、すぐににっこり笑って佐倉くんを呼びに行ってくれた。
そして数分後、ドタバタと階段を下りる音。
そのままの勢いで、扉が開いた。
「えっ、ひ・・・え?日野・・・?な、なん・・・っ」
佐倉くんがものすごく動揺して出てきた。
慌てて出てきたのか、服こそ制服のワイシャツとズボンを着ていたけど、髪形はかなり荒れまくっていた。
まあ当然、普段一切関りのないクラスメイトが突然朝早くに訪ねてきたら動揺するだろう。
「ちょっと話があって・・・話っていうか相談?」
「そ、相談・・・?」
佐倉くんが怪訝そうにする。
この程度の仲の相手に相談って、何を・・・?って感じだろうか。
さすがの佐倉くんでも学校で聞くから一旦帰れとでも言うだろうか、と不安になったけど、佐倉くんは戸惑いつつ部屋に入れてくれた。
「・・・で、日野が俺に相談?っていうのは・・・な、何?っていうかなんで?」
「落ち着いて聞いてほしいんだ。ちゃんと理由も、相談内容もわかるように説明するから」
「・・・はい」
若干まだ戸惑いを隠せない様子だったけど、佐倉くんは指示通り静かに話を聞いてくれた。
ループのこと。
十周目の佐倉くんに、ループしていることが悟られたこと。
そして協力する流れになったこと。
順を追って話した。
佐倉くんは話がすすむにつれ、眉間のしわを深めていく。
「・・・・っていうわけで、十周目の佐倉くんの指示で、私はこうやって十一周目の佐倉くんの家に押しかけて来たんだけど・・・」
「おれのしじで・・・おれのいえに・・・」
情報過多すぎて受け止め切れないのか、はたまた信じられないのか、私が言ったことをそのままオウム返しされた。
「・・・ごめん、信じられる?」
「・・・・えっと・・・」
十周目の佐倉くんは通行止めを予言したことなどもあって案外すんなり受け入れてくれたけど、今回の佐倉くんは少しまだ受け止め切れないようだ。
「・・・確かに6時12分に目が覚めた、ってのは当たってるし、日野がわざわざ嘘つくために朝一で俺の家に来るとは思えないけど・・・、でもやっぱこう、現実味がないというか、信じがたいというか・・・」
「だよね」
こういうときの、佐倉くんの策だ。
「私、十周目の佐倉くんから、『佐倉くんしか知らない事実』を聞いてるの」
「え」
私は目の前の佐倉くんを気の毒に思いつつ、口に出す。
「周りには秘密にしてるけど妹さんとの話題作りのために幼女向けアニメを見てる」
「・・・・・」
「高校の入学式のとき一日中気づかずにズボンのチャック全開で過ごしてた」
「・・・・・」
「好きな人の連絡先を追加しようか迷ったまま3か月経った」
「・・・・・」
佐倉くんが遠い目をした。
そしていつも以上に感情のない声で私に問うてくる。
「・・・・それはぜんぶ俺が話したんだよな・・・?」
「うん、十周目の佐倉くんが言ってた」
佐倉くんが、天を仰いだ。
かと思ったら今度は頭を抱えた。
「・・・・俺のあほ・・・・」
しばらく本気でへこんでいたっぽかったけど、気を取り直して口を開く。
「・・・ループしてること、信じる」
「あ、ありがとう・・・」
十周目の佐倉くんは十一周目の佐倉くんにかなり恨まれてそうだ。
何はともあれ、無事信じてもらえたのでよかった。
そこから私は一周目から十周目までのおおまかな流れを話し、程よい時間になった辺りで切り上げて踏切に向かった。
ピンポーン
私はドキドキする胸を押さえ、チャイムを鳴らした。
しばらくして、近くの高校の制服に身を包んだ女性が顔をだす。
「えっと・・・どちら様ですか・・・?」
「あっ、あのっ、私佐倉くんの・・・佐倉 応助くんのクラスメイトでっ、日野 永って言います。佐倉くんにどうしても用があって・・・」
「応助に?」
「朝早くに押しかけてごめんなさいっ、あの、どうしても朝のうちじゃないとだめなんです・・・」
佐倉くんのお姉さんと思しき人は不思議そうにしていたけど、すぐににっこり笑って佐倉くんを呼びに行ってくれた。
そして数分後、ドタバタと階段を下りる音。
そのままの勢いで、扉が開いた。
「えっ、ひ・・・え?日野・・・?な、なん・・・っ」
佐倉くんがものすごく動揺して出てきた。
慌てて出てきたのか、服こそ制服のワイシャツとズボンを着ていたけど、髪形はかなり荒れまくっていた。
まあ当然、普段一切関りのないクラスメイトが突然朝早くに訪ねてきたら動揺するだろう。
「ちょっと話があって・・・話っていうか相談?」
「そ、相談・・・?」
佐倉くんが怪訝そうにする。
この程度の仲の相手に相談って、何を・・・?って感じだろうか。
さすがの佐倉くんでも学校で聞くから一旦帰れとでも言うだろうか、と不安になったけど、佐倉くんは戸惑いつつ部屋に入れてくれた。
「・・・で、日野が俺に相談?っていうのは・・・な、何?っていうかなんで?」
「落ち着いて聞いてほしいんだ。ちゃんと理由も、相談内容もわかるように説明するから」
「・・・はい」
若干まだ戸惑いを隠せない様子だったけど、佐倉くんは指示通り静かに話を聞いてくれた。
ループのこと。
十周目の佐倉くんに、ループしていることが悟られたこと。
そして協力する流れになったこと。
順を追って話した。
佐倉くんは話がすすむにつれ、眉間のしわを深めていく。
「・・・・っていうわけで、十周目の佐倉くんの指示で、私はこうやって十一周目の佐倉くんの家に押しかけて来たんだけど・・・」
「おれのしじで・・・おれのいえに・・・」
情報過多すぎて受け止め切れないのか、はたまた信じられないのか、私が言ったことをそのままオウム返しされた。
「・・・ごめん、信じられる?」
「・・・・えっと・・・」
十周目の佐倉くんは通行止めを予言したことなどもあって案外すんなり受け入れてくれたけど、今回の佐倉くんは少しまだ受け止め切れないようだ。
「・・・確かに6時12分に目が覚めた、ってのは当たってるし、日野がわざわざ嘘つくために朝一で俺の家に来るとは思えないけど・・・、でもやっぱこう、現実味がないというか、信じがたいというか・・・」
「だよね」
こういうときの、佐倉くんの策だ。
「私、十周目の佐倉くんから、『佐倉くんしか知らない事実』を聞いてるの」
「え」
私は目の前の佐倉くんを気の毒に思いつつ、口に出す。
「周りには秘密にしてるけど妹さんとの話題作りのために幼女向けアニメを見てる」
「・・・・・」
「高校の入学式のとき一日中気づかずにズボンのチャック全開で過ごしてた」
「・・・・・」
「好きな人の連絡先を追加しようか迷ったまま3か月経った」
「・・・・・」
佐倉くんが遠い目をした。
そしていつも以上に感情のない声で私に問うてくる。
「・・・・それはぜんぶ俺が話したんだよな・・・?」
「うん、十周目の佐倉くんが言ってた」
佐倉くんが、天を仰いだ。
かと思ったら今度は頭を抱えた。
「・・・・俺のあほ・・・・」
しばらく本気でへこんでいたっぽかったけど、気を取り直して口を開く。
「・・・ループしてること、信じる」
「あ、ありがとう・・・」
十周目の佐倉くんは十一周目の佐倉くんにかなり恨まれてそうだ。
何はともあれ、無事信じてもらえたのでよかった。
そこから私は一周目から十周目までのおおまかな流れを話し、程よい時間になった辺りで切り上げて踏切に向かった。


