7月15日、あなたに告白します。

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 と、まあここまでで八日が過ぎ去っていった。

 ここ何周かは、攻略のためいろいろ試行錯誤を重ねた。

 体育でわざと天ヶ崎くんの蹴ったボールに当たりにいったり、それで合法的に保健室に付き添ってもらったり。
 昼休み、友達に付き添うふりして天ヶ崎くんの委員会の集まりに顔を出したり、授業の合間に話しかけてみたり。
 さりげなく天ヶ崎くんが近くにいるときにクラスメイトの手助けをしたり、先生のお手伝いをしたり。

 もう、打てる手は尽くした。
 尽くしきった。


 けれど。


「・・・気持ちはうれしいんだけど・・・ごめん。今は誰とも付き合う気がなくて・・・」


 九回目のそのセリフを聞いた瞬間、私は膝から崩れ落ちた。
 ドラマのように、見事にぐしゃっと。


「ご、ごめん、あの・・・」


 それを見た天ヶ崎くんは心底申し訳なさそうな表情になって、私に手を差し伸べてきた。
 振った相手に優しくしないで・・・。


「・・・私、魅力ない?」

「え?」


 落ち込んだ様子で座り込んだままそう聞く私に、天ヶ崎くんが焦ったような顔をする。


「あの、違うっ、そういうんじゃなくて・・・、日野さんが悪いとかじゃなくて・・・っ」

「・・・・」

「お、俺の、問題で・・・、最近ちょっと整理つかないこと、あって・・・それがあるうちは、付き合うとか、そういうのはいいかなって・・・」


 私は疲れ切った顔で天ヶ崎くんを見上げた。


「・・・整理つかないこと?って、何・・・?」

「あ」


 天ヶ崎くんが、言っちゃった、て感じの顔をした。
 そして慌てたようにごまかす。


「な、なんでもない。ほんと、個人的なことだから」

「・・・・」

「じゃ、じゃあこれでっ、また明日っ」


 天ヶ崎くんが、動揺したように駆け足で立ち去って行った。

 天ヶ崎くんはいつも告白の間、ずっと落ち着いていて。
 立ち去るその瞬間まで、微笑みを絶やさず、私を気遣い、終始穏やかだった。

 そんな天ヶ瀬くんが、さっきはあきらかに動揺していた。


(・・・これってもしや・・・何かのきっかけになったり、する?)


 それを見た瞬間、私は唐突に疲れ切った脳がさえわたり始めたのを感じた。


(・・・天ヶ崎くん、整理がつかないことがあるから、って言ってたよね?)


 逆に言えば・・・それが整理できれば、恋愛に少し気が向くかも?

 整理がつかないこと・・・。
 全く思い当たらないけれど、少しだけ光明が見えた。

 闇雲に告白し、玉砕し続ける毎日にそろそろ嫌気がさしていた頃合い。
 かすかな望みだけど・・・賭けてみる価値はありそうだ。