7月15日、あなたに告白します。

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「遅くなってごめんっ、ちょっと先生に呼び止められて・・・っ」


 よし、定刻通り。


「大丈夫。こっちも今着いたとこ。待ってないよ」


 私は緊張が顔に出ないよう努めつつ、小さく微笑んで見せた。


「むしろごめん、走らせて。息整えな?」


 かっこいい系女子って、やる前は難しそうだなって思っていたけど、やってみれば意外とそうでもない。
 私の思う気づかいのできる男子を演じれば、それすなわちかっこいい系女子だ。

 天ヶ崎くんも、普段女子を気遣うことはあっても女子に気遣われることはないからか、私の言葉に少しだけ驚いていた。


「水いる?」


 一応天ヶ崎くんが先生とお話ししている間に、ミネラルウォーターを買っておいた。


「ううん・・・、大丈夫、もう落ち着いたから」

「そっか」


 やっぱスポーツする人って回復早い。
 私はせっかくさっき全力疾走で買いに走ったミネラルウォーターが無駄にならないよう、しかたなく自分で飲んで喉を潤しておいた。



「それで・・・話っていうのは?」

「うん、まあ察してるかもだけど、告白したいんだ」

「!」


 お、この言い方のほうが反応いい。
 まあ普通は好きって言う前に告白しますって宣言しないものだし、それに面食らっただけかもしれないけれど。


「天ヶ崎くんのこと好きなんだ。まあ急だから、なんで?って感じかもだけど」


 なるべく緊張感を出さないよう、私は余裕ありげにふっと笑った。


「付き合ってくれない?付き合ってくれたら、めいっぱい大切にする。だめ?」


 一瞬、私の趣味が全開になった。
 天ヶ崎くんがこんな告白してくれたらいいなぁ・・・って一時期妄想してたやつが・・・。

 天ヶ崎くんは、私が気持ちを伝えている間、少しだけいつもの笑みが消えていた。
 代わりにまじまじと私のことを見つめていて。


「・・・・・」


 天ヶ崎くんは、しばし沈黙した。
 迷っているのか、ためらっているのか。

 そして口を開き。


「・・・気持ちは本当にうれしいんだけど・・・ごめん。今は誰とも付き合う気がなくて・・・」


 やっぱだめだったかー、って一瞬なったけど。


(・・・ちょっと待って、今確かに・・・)


 これまでは「気持ちはうれしいんだけど・・・」って言ってた。
 もう何度となくこの耳で聞いたから明確に覚えている。

 けど今日は・・・「本当に」がついてた、よね?

 これって手ごたえありってことでいいのだろうか。
 前は年上っぽい感じでさらっと告白した時も反応よかったし・・・サバサバしてる子のほうが好みなのかな。

 まあ手ごたえあろうとなかろうと、明日にはリセットされるんだけど。