7月15日、あなたに告白します。

==========



 その日の授業もつつがなく進み、ようやく六時間目が終わった。

 私は放課後の告白に向け、今回は授業も聞かず一心不乱に告白文を考えてきた。
 一周目のようなめちゃくちゃな告白をしてなるものか。

 六時間目が終わった直後、いよいよかと私は思わず天ヶ崎くんの席に視線をやった。
 そしてちょうどそのタイミングで、天ヶ崎くんの机から消しゴムが転がり落ちた。


「!」


 あ、拾おう、と思った次の瞬間には、その消しゴムは誰かの手に握られていた。


「・・・消しゴム、落ちたぞ」

「あ、ありがと、応助」


 拾ったのは佐倉くんだった。
 そのお礼を言うときの天ヶ崎くんの可愛さよ。

 天ヶ崎くんもやはり男の子同士のほうが気が許せるのか、佐倉くんや他の男子の友達に対して笑いかけるときは、少し幼げなかわいらしい笑みを浮かべるのだ。
 ふにゃっ、みたいな。


(もうほんと反則級に――――― ってそんなこと考えてる場合じゃない!なんで拾わなかったんだよ私のバカっ!)


 一歩早ければ拾えていたのに。
 話しかけるチャンスだったのに。

 私は恨みのこもった念を込めつつ佐倉くんをにらんだ。

 すると不運にも念が届いたのか、佐倉くんが私のほうを向いた。


(やばっ!)


 私はあわてて目をそらす。
 そして、そろりと佐倉くんのほうをもう一度確認すると、佐倉くんはもう天ヶ瀬くんとの雑談に興じていた。

 私は佐倉くんにまた視線を向けられる前に、急いで教室を後にした。