ミツルは宣言通り、その翌週から毎晩、私の仕事が終わるのを待ってた。

夜中の3時半くらいにはコンビニにも着いてるらしく、そこから連絡が来るのを待って、店から出てきた私を自宅近くのコンビニまで送り、再び待機。

家に帰った私は、シャワーを浴びてすぐに朝の支度をする。準備を済ませてもう一度コンビニへ向かうと、ミツルはそっから遊園地のそばまで車を走らせた。

ひと通りのない広い道で車を止めたら、「時間が来たら起こしたるから」と言って、助手席で眠ることをすすめてくる。

ほんで出勤時間になると、ちゃんと起こしてくれて、遊園地の最寄駅まで送ってくれる。

その間、ミツルは一切、手を出してけえへんし、口説いてもこうへん。それまでのやり取りは全部なかったもののように感じてしまうくらい、私らは健全やった。


そんな日が2週間くらい続いた頃──

「おったおった。マイちゃん、お疲れ様ぁー」

夕方を迎え、遊園地スタッフの女子更衣室でユニフォームを脱いでたら、聞き慣れた声が耳に届いた。

「あっ、シイちゃんお疲れ様!」

振り向いた私は、久しぶりに顔を合わすバイトスタッフに明るく微笑み返す。