「どうして欲しいって」
家に誰もいないって言ってるんだから──
「行くって言ってほしいです!」
「言うだけでいいの?」
え!?
いや、それは、どうだろう?
先輩と一緒にいたいし、言うだけじゃなく来て欲しいけど、でもお母さんいるしな。
……ま、知らなかったふりすればいっか!
「うちに来て欲しいです!」
「へぇ。じゃあさ」
そっと先輩の顔が近づいてくる。
わ、キスされる。
そう思って目を瞑ったけど、唇にいつもの感覚が来ることはなくて。
「──家で、何されたいの?」
耳に吐息が掛かるほどの近さで、そう呟いた先輩に。
「あっ、あ、あぅ……」
ぼんっと顔に熱が上がって、思考がフリーズしてしまった。



