「せんぱぁぁぁい!」 遠くに、先輩を見つけた。 その場で大声を上げて手を振れば、こっちに気づいて、小さくではあるけれど手を振り返してくれた。 「よく見つけたね」なんて隣の友人に関心され、さっきまで話していたことを、ぽんっと思い出す。 「あれ! 試してみる!」 「え!?」 「じゃあ、ちょっと行ってくる!」 「え、待っ!」 ぴゅんっとその場から離れた私には、「大丈夫かな」という心配の声なんて全く聞こえていなかった。