拝啓、親愛なる魔王様へ【親愛なる魔王の君へ×人狼様に嫁ぎます】

ルカの言葉に、フェリシアーノは無言でルーチェを見る。その目には疑いが含まれており、ルーチェはそれに瞬時に気づく。

「……本当のことですよ。僕には、ルカさんやビオラさんと過ごしてた頃の記憶はありませんが……」

(ビオラさんって、確かルーチェの実の兄の……呼び方からして、ルーチェは、ルカさんやビオラさんとは距離を置いているのかしら?それに、過ごしてた頃って……どういう意味かしら?)

「……お話中のところ悪いな」

ルーチェたちが話をしていると、ドアが開いた。皆は、一斉にドアが開いた場所を見る。そこにいたのは、魔王の1人、ギルバートだった。

「ギルバート!?どうして……」

「僕は、ここに来たくて来たわけじゃない。お前らに、いい知らせを持ってきてやった」

「……いい知らせ?」

「ルシフェルが、何かを企んでいるらしいぞ」

ギルバートの言葉に、ルーチェは「ルシフェルさんが?」とギルバートを見つめる。

「みたいだな。僕も他の奴から聞いた話だから、本当かどうかは知らねぇけどな」

そう言って、ギルバートはケラケラと笑った。

「じゃあ、僕は魔王城に戻る。僕は、ちゃんと伝えたからな」

「待って!僕も行く!」

帰ろうとするギルバートを、クラルは引き止める。ギルバートは動きを止め、「は?」と言いながらクラルの方を見た。