拝啓、親愛なる魔王様へ【親愛なる魔王の君へ×人狼様に嫁ぎます】

クロウディア家の風習のこと、風習を破ってでもルーチェを守ろうとしたこと、無理やりルーチェを連れていかれたこと、抵抗しても無駄だったこと、あの後ルーチェを探したが見つからなかったことなどを。

「……」

ルカの口から語られた衝撃的な事実に、イヴァンとヴァイオレットは何も言えずにいた。魔法を使わずとも、ルカの表情や声色から2人は真実を語っているのだと理解する。

「その日、たまたま俺の子どものクラルがルーチェを見つけて……そのまま、ルーチェを家で育てることになったんだ」

「僕は、ルカさんやビオラさんたちと暮らしていた頃の記憶は全くありません。なので、僕にとっての親はクロードさんとノアさんで、僕にとっての兄はクラル様なんですよ」

(あ、だから……ルカさんとビオラさんとの間に距離があるように感じたのね)

「……ねぇ、クラル様。ギルバートさんから聞いた情報を伝えるのに、アーサーとティムも呼んだ方がいい?」

話題を変えるかのように、ルーチェはクラルに話しかけた。

「いや、もう少し情報が増えてからでもいいと思う。ギルバートからもらった情報は、敵に呪具使いがいるかもしれないっていう、1つだけだったから」

「分かった」

「……ねぇ、俺からの提案なんだけど……皆で交流会みたいなのをしない?俺、イヴァンくんたちの住む世界のことに興味あるんだ」

「いいですね!私も、この世界のことに興味があります!」