拝啓、親愛なる魔王様へ【親愛なる魔王の君へ×人狼様に嫁ぎます】

ルーチェの優しい笑みを見て、クラルはドキドキと胸を高鳴らせる。

「うん。一緒に行こうか……僕も暇だし」

ルーチェの返答を聞き、クラルは「やった!」と嬉しそうに笑った。その笑みを見て、ルーチェも嬉しい気持ちになる。

「ルーチェ、行こ!」

クラルは、ルーチェの腕を掴むと歩き出した。ルーチェは「クラル様、引っ張らなくても……」と苦笑する。

「……あ、ごめん」

ハッとした顔をして、クラルはパッとルーチェから手を離した。そして、クラルとルーチェは家の近くにある町・カラミティへと向かう。

「……」

(……手、繋ぎたいなぁ……)

カラミティに向かうために歩き慣れた森の中を歩いている最中、クラルはチラリと隣を歩くルーチェを見た。

そして、クラルは半分無意識にルーチェの手を掴む。

「……どうしたの?」

ルーチェは足を止めて、クラルの方を見た。

「急にごめんね。えっと……」

それから何も言わないクラルを見て、ルーチェは「クラル様」と声をかける。

「言いたいことがあったら、言ってもいいんだよ?僕は、否定したりなんかしないから」

ルーチェがそう促すと、クラルは「……手」と声を出した。

「手、繋ぎたい」