拝啓、親愛なる魔王様へ【親愛なる魔王の君へ×人狼様に嫁ぎます】

そのような会話を、2人はする。次第に声は遠のいていき、煙が晴れた。

「……ごめん。魔法を維持出来なかった」

荒く息を吐きながら、ハルは言う。そんなハルに、ルーチェは「十分だよ。ありがとう」と微笑んだ。

その笑みに、クラルは思わず見惚れてしまう。少しの間、ルーチェを見つめていたクラルは我に返ると「これで分かったのは……」と声を出した。

「2人の人物が世界を破壊させることを企んでいるということ、1人が魔法家系の人間、1人が僕らの住む世界で暮らす人間ということくらいか」

「……もう1つ分かったことがあります」

クラルが整理をしていると、ヴァイオレットが発言をする。

「さっきの映像に映っていた部屋……あれは、私が昔仕えていた、ランカスター家の屋敷にある部屋です」

「そうなのかい?」

イヴァンは、ヴァイオレットの方を見た。ヴァイオレットは、イヴァンと目を合わせると無言で頷く。

「……もしかして、さっき見た映像にいた人物の1人は、ランカスター家……だっけ?、もしくはランカスター家に仕える人間なんですかね?」

ヴァイオレットの話を聞き、ルーチェは思ったことを口にした。

「分からない。でも、イヴァンさんたちの暮らす世界に2人はいる可能性はあるね。異世界でモンスターが暴れていたのも、もう1人の方が魔物使い、もしくは呪具持ちの可能性だってある」