拝啓、親愛なる魔王様へ【親愛なる魔王の君へ×人狼様に嫁ぎます】

ハルの言葉に、イヴァンは「え?」と声を出す。

「ぼく、こう見えて魔法術が得意なんだ。それに、何だか困っているような感じがして……今は長期休暇で学校も休みだし、家族もいないから暇なの。ぼくに出来ることなら、協力したい!……駄目かな?」

ハルは、真剣な目で周りを見た。杖も呪文も唱えずに、嘘かどうかを知ることが出来る魔法を使ったイヴァンは、ハルの言葉が本当だということを知る。

「……君は、不安じゃないのかい?いきなり異世界に来て……」

「ううん。不安じゃないよ。ぼく、ずっと1人だったんだ。学校でも、家でも。だから、むしろ嬉しいの。異世界の人とはいえ、誰かと一緒にいれるから」

そう言って、ハルは寂しそうに笑った。その表情を見たクロードは「……分かった。手伝ってくれる?」と言う。

クロードの言葉に、ハルは「うん!」と元気よく答えた。

「ぼく、魔法でここに来る前から、1週間くらい異世界を1人で旅しようと思ってたんだ~。でも、それ以上に楽しくなりそうだな」

ハルの言葉にルーチェは「1人で!?」と驚き、クラルは「1人は止めた方がいい。外は、モンスターがいるから危険だ」と言う。

ハルは「モンスター?」と首を傾げた。