「さっき、〝礼侍さま〟って、
さまいらないけど、まおが呼んでくれた。
俺ね、びっくりした、けどすげー嬉しいの」



〝知ってるんだけど?〟と、
言いたげな声色で言う声が聞こえて。



「.........ぅ、それは聞き間違いではな、」



〝聞き間違いではないでしょうか?〟



そう全部言い終わる前に。



私のくちびるを、
そっと、指で触れてくる礼侍。



そして..............................



「触れたら......甘そう。つか、もう無理」



私が止める隙を与えないぐらいの速さで。



「っん、...............」



くちびるに、
─────礼侍の優しい温もりが降って来た。