体に走った衝撃にヴァイオレットは顔を顰めながら目を開ける。そこはフェリシアーノたちの魔法で作られたダンスホールではなく、洞窟のようだった。薄暗くゴツゴツとした岩の天井が見える。

「イヴァン様!皆さん!」

ヴァイオレットが体を起こすと、近くにイヴァンやフェリシアーノたちは倒れていた。そして見知らぬ男性が五人倒れている。

「ううっ……」

ヴァイオレットが駆け寄り触れると、イヴァンは呻き声を上げながら目を開けた。青い瞳が細められ、ヴァイオレットの頰にイヴァンの大きな手が触れた。

「ヴァイオレット、大丈夫かい?」

「はい。大丈夫です」

「よかった……」

「イヴァン様は無事ですか?」

ヴァイオレットの問いにイヴァンは起き上がり、彼女の唇に顔を近付ける。すると気が付いたフェリシアーノに「イチャつくのはここではしないでよ」と釘を刺され、触れる直前で二人は止まった。

「皆さん、気が付かれたのですね。ご無事ですか?」