「もうすぐ7月だね~。」佐智が私に言った。
 毎日が楽しくて忘れていたが、梶先生がこの学校に来るのも残り5日になっていた。


 6月が終われば先生に会えなくなる…そう考えながら「そうだね…。」と答えた。

 「…このままさよならして千鶴ちゃんは後悔しないの?」

 「えっ?何が?」

 「分かってるでしょ?自分の気持ち伝えなくていいの?梶先生と、もう一生会えなくなるかもしれないんだよ?」

 佐智の真剣な顔に、私は少し戸惑った。