とあるエイプリルフールの日



「ごめん」

携帯を閉じて、謝ると、


「頬緩んでる、気持ち悪い」

明らかに、不機嫌な莉玖がいた。その態度にしょぼんとなってしまう私は、

「そこまで言わなくても…」

少し弱気になると、


「俺、お前のこと嫌い、」


…今までで1番の胸の痛みと全身に衝撃が走る。

泣きそうになるのを堪えて、


「………そっか、なら、今日はやっぱやめておこう、じゃ」

声を振り絞った。

「おい、待てよ…」



涙が頬を伝ってしまう前に、莉玖の言葉に聞く耳をもたず私は、駅に向かって走った。



今日こそはって思ったのに、

叶空くんに力をもらって、いけるって思えたのに…