とあるエイプリルフールの日



「忘れたのか、今日のイベント」

なによ、そんな真剣な顔して急に。


エイプリルフールなんていらない。嘘ついてもついてなくても私にとっては、

「そんなのイベントじゃないよ…」

「そんなのって言うなよ」

「エイプリルフールなんてくだらない!」



「あー、なんでそうなんだよ!…お前のことが好きだ。恥ずかしくて反対で言ってみたけど、失敗だった。ごめん」

好きって言われた嬉しさよりも先に、

「タイミング悪すぎ」

そう言ってしまってた。

「悪かったな、ずっと好きだったんだ。好きって思うだけで恥ずかしくてもどかしくて今まで上手く伝えられなかった…」


「…私も莉玖のことが、出会った時から好きで好きでたまらなかった。本当は、私も今日想いを伝えたくて誘ったの。」


今日だけは、素直になりたい…
なにを思っても好きが募るばかりだった。


「まじか、でも、叶空からの電話で焦った、取られると思って不安だった。」