オープニングが流れ、審査員の紹介がはじまる。


「ねえ、蒼空。今日って何の日か知ってる?」


 ソファにもたれ、テレビ画面をぼーっとした表情で見つめる蒼空に声を掛ける。

 自分の好きな子が隣にいるっていうのに、そんなふうに意識している様子は欠片もない。

 やっぱり……すでに他に好きな子が……。

 なんて最悪の事態が頭をよぎる。

 ううん。とりあえず、今はまだ深く考えない!

 頭を左右に振って、わたしは嫌な考えを頭の中から無理やり追い出した。


「うーん……エイプリルフール?」

「そ。ねえ、ネタがはじまるまで、ウソ当てゲームしない?」

「は? なんだよ、それ。面倒臭そうだな」

「五択のうち、四つ嘘を吐いて、一つだけ本当のことを言うの。それで、その本当を当てた方が勝ちね」


 わたしの苦肉の策。

 題して、『エイプリルフールを利用して、告白大作戦!』

 嘘に混ぜてなら、きっと言える……はず。

 ううん、絶対に言ってみせる。