幼なじみって、言わないで!




「はよー、祐奈」
「真希。昨日あの後寝た?」
「んー?寝てないよ?」


教室に入ると、寝不足の真希。
しょうは少し離れた席で、真面目にも着席してすぐ勉強を始めていた。


学校では、キスはしない。
当然だが。


でも、私はしたくなる。
結構な頻度で。


「ゆう。これ、間違えてもってた」


真希とだべっていると、しょうが私のところにやってきた。
ごめん、と言って渡されたのはメモ帳。


あぁ、今朝メモの紙が欲しいって言ってたから、丸ごと貸したんだっけ。


「ありがと…」


受け取って、顔を上げる。
ばち、と目が合った。


あ。
キスしたい。


すると、しょうの顔はぼっと赤くなる。


「…え、聞こえた?」
「えっ?な、なにが」
「いや……」


目をそらす。
いかん、いかん。
ここは学校だし。


…うん。


「……ゆう」
「ん?」


しょうにつんつん、とつつかれて視線を戻す。
しょうは軽く腰を曲げて、私の耳元で囁いた。


「…帰ったら、ね」


その言葉に、さすがの私もぎょっとする。


「……うん」


あ、顔が熱い。