「ん……」
唇についたチョコをぺろ、と舐める。
おいしい。
キスって美味しい。
しょうは目を見開いて、真っ赤な顔のまま固まった。
心臓の音が、ここまで聞こえてくるみたい。
超ドキドキしてるんだろうな。
ま、私もだけど。
「うわっ!!アイス溶けてる!」
そんなとろける瞬間もつかの間、手にどろりと溶けたアイスがかかっているのに気づき、叫んだ。
しょうも、はっとしたように自分のアイスを口に運ぶ。
どきどき。
どきどき。
アイスを食べ終わるまで、沈黙が続いた。
ふらふらで、棒を捨てに行ったしょう。
私も最後にひと舐めして、ついて行く。
しょうはゴミを捨てたあと、手を洗っていた。
私もゴミ箱に放り入れ、間から割り込む。

