彼は推しと瓜二つ

男「俺は“雅之”で、双子の弟が“光之”って言います。
杉山さんが言う通り、スーパーで体調を悪くしたのが光之で、それ以外は全部俺が行ってました。

杉山さん、MITSUKIのファンでいてくれたのに、俺の軽率な行動のせいで失望させてしまって、本当にごめんなさい。」

雅之は頭を深々と下げる


音「やめてください。私、別にMITSUKIに失望しただなんて言ってません。
ただ、何でこんな手間のかかる事と言いますか、リスキーな事をするのか疑問に感じてますが………」


雅之「…杉山さんは思った通り、誠実な人ですね。
……理由を話すと長くなるんですが、聞いてもらえますか…?いや、ここまで言っておいて訊くのはズルいか。

ちょっと長くなってすみませんが、聞いてください。」

雅之は音をジッと見つめる。
音は心臓がキュッとなるのを感じつつ頷いた。


雅之「ありがとうございます。」

雅之は優しく笑った後、またすぐに真剣な表情に戻る。


雅之「…アイドルになるのは、光之の夢でした。
小さい事から歌とダンスが好きで、特に歌うのが大好きだった。
人を笑顔にできるのも、光之のままでは出来ないけど、アイドルになれば出来るんじゃないかって……
まぁ、ありがたい事に外見も人並み以上に良かったし……。

でも、光之がアイドルになるには、大きな壁があった…。」


音(……もしかして、前に体調不良になったのと関係が………?持病…?)


雅之「スーパーで体調が悪くなりましたよね?
あれは身体的な問題というより、心の問題というか………
PTSDなんです。」


あまりの意外な答えに、音は反応ができずにいた