エイプリルフールの前日、君に大好きと伝えたい。



うるさくいう私をなだめた翔琉は、麦茶を注いで、部屋のドアを開けた。



「わー翔琉の部屋!! 綺麗にしてるじゃーん!!」


部屋に入ると、そう言って、私はベットにダイブする。


「ちょ、美奈! やめろよ……」


「へ? どうして? いいにおいするよー?」


「……っ!? やめろ!くさいし!!」



私、なにやら悪いことをしてしまったらしい、です。


翔琉が赤くなって私をベットから引き剥がすので、私はおとなしく従った。


ゲームのモニターの電源を入れて、翔琉にコントローラーを渡した。



「今日さ、フェスなんだよねー」


「データの上書きはやめろよ」


「……はいはい。……私そっちのゲームあんまり詳しくないから、翔琉教えてくれない?」



そう言って、私は翔琉のすぐ隣に座る。


軽く体が触れるくらい近くに座った。


……ふふっ。

大好きな翔琉とくっついていられるなんて……!


「……っ」



翔琉が息を飲む音が聞こえた。