『2番乗り場から、○○行きのーーーー』


電車が発車する前、少女が走ってきた。


電車には少女の友達が乗っていた。


「ああっ!待って!(れい)、乗っちゃダメぇぇぇぇ!」


「え?!どうしたの?」


「見た通りだと……。見た通りだとォ……!」


「え⁈何?見た通りだとってどういうこと⁈」


「う〜〜〜〜!とにかく、今すぐ降りて!まだ間に合うから!!」


「この電車に乗らなきゃ塾に間に合わないのー!」


「違うの、ねぇ!怜!!塾なんてどうでもいいから!!と乗っちゃダメだから今すぐ降りて!ねぇ!お願いだからぁぁぁぁ!!!」


少女の願いもむなしく、電車の扉は閉まってしまった。


少女の友達・怜の乗っている電車は、少女の方を見ながら走り去っていった。


「ああぁぁ………。怜……!怜!怜ーーーーーーー!!!」


少女が崩れ落ちて叫んでも、電車は止まらない。


「~~~~~っっっっ?!やっぱり……⁈」


少女は、絶望的なものを見つけた。










ーーーーそれは、怜の乗っている電車のほうに猛スピードで向かっている電車。


「いやああああああああああああああああああああああ!!!!!! 怜ーーーーーーーーーー!!!!!!」


ーーーー少女は叫んだが、ついにその声は届かなかった。