「うん、ありがとう」

穏やかな性格の優奈の癖なのか、目を

細めて微笑む。

「……そういえば、優人に会ったよ」

予め撮っておいたメロディーに、細かく

サウンドを重ねて、ひと段落着いた

ところで、真剣にパソコンを覗いていた

優奈に声をかける。

「本当?優人、最近彼女さんか好きな子が

できたらしくて、なかなか会えないの」

優奈の弟の優人は、優奈に似て優しく、

真面目な性格で、姉である優奈のことも

大事に思っている。

そんな優奈にしばらく会わないほど

という事は、それほどその子のことが

好きなんだろう。

「へぇー、それは初耳だ。今度聞いてみるよ」

「ふふっ、優人、言うかな~?」