君に捧げるラブソング

「本気、ですか……」

白と黒をベースで店内をコーディネートされているシックな雰囲気なカフェで、年配の男性と向き合って座る。

「うん。君は、短期間で超人気アーティストに登り詰めた超人だ。……ただ、最近の曲が前と少し違って感じるんだ」

彼は、俺の曲をだだっ広いSNSの中から見つけだしてくれた人だ。

だからなのか、俺の曲の変化にも目ざとい。

「いや、別に貶してるわけじゃないんだよ?ただ、君の曲をもっと世間に広めたくて」

俺が何も言わないのを、怒っていると勘違いしたのか、慌てたように言葉を綴る。

「……分かってます」

やっと俺が口を開くと、安心したようにホッとため息をついた。

でも、俺の分かってます。は、この人の期待に添えるものでは無い。

俺はこれまでも、これからも、優奈のために曲を作るだけ。

顔も分からないファンなんかより、ずっと大事なんだ。

それでもこの人は、笑顔で俺の曲を良くしようとする。

「清瀬くん、どうだろう。君の曲を、違う誰かに歌ってもらう、というのは」

……誰かに、歌ってもらう?